皆様、こんにちは。
今回は昨年に引き続き、【インボイス制度】についてご説明させていただきます。
インボイス制度の正式名称は、【適格請求書等保存方式】といいます。
適格請求書とは、適用税率や税額の記載を義務付けた請求書のことで、
この請求書から消費税を計算し納付する制度のことを【インボイス制度(適格請求書等保存方式)】といいます。
来年2023年10月1日より始まります。
さて、インボイス制度については2021年5月19日のブログ『消費税の改正について』でご説明いたしましたが、具体的にどのような準備をすれば良いでしょうか。
まずは消費税の仕組みについて見ていきましょう。
例えば、商品を11,000円(税込)で仕入れたとし、22,000円(税込)で売ったとします。
この場合、国に納める消費税は『売上で預かった消費税2,000円』-『仕入で支払った消費税1,000円』 = 1,000円となります。
この1,000円を仕入税額控除といいます。
しかし、インボイス制度が導入されることにより、この仕入税額控除を利用できる対象が、
適格請求書を発行している事業者からの仕入れ分のみとなります。
もし、相手先が適格請求書発行事業者でなかった場合、この1,000円の消費税額を差し引くことができず、
2,000円をそのまま納税しなければなりません。
※2029年9月30日までは経過措置として、現行の「区分記載請求書等」でも一定割合の仕入税額控除が認められています。
・2023年 10 月1日から2026年9月 30 日まで 仕入税額相当額の80%
・2026年 10 月1日から2029年9月 30 日まで 仕入税額相当額の50%
それでは、『課税事業者』・『免税事業者』それぞれ、どのような準備が必要か見ていきましょう。
★課税事業者
・適格請求書発行事業者の登録を申請
⇒ 2023年10月1日のインボイス制度の開始当初からインボイスを交付する場合は、
2023年3月31日までに登録申請手続を行う必要があります。
・取引先の適格請求書発行事業者登録の有無を確認
⇒ 取引先にインボイスを発行してもらえない場合、仕入額控除が受けられなくなります。
取引先が免税事業者の場合は、登録予定があるか確認しましょう。
・インボイス用の請求書を準備
⇒ これまで発行していた請求書の記載事項に加え、下記の内容が追加されます。
・登録番号(課税事業者のみ登録可)
・適用税率
・税率ごとに区分した消費税額等
・インボイスに対応したレジの導入
⇒ 現行の「区分記載請求書」ではインボイス制度に対応できません。
もしレジを使用している場合は、インボイスに対応したレジの買い替え等が必要になります。
・インボイスに対応した受発注システム、請求書管理システムの導入
⇒ 現在使用しているこれらシステムがインボイスに対応していない場合、
その準備も必要になります。
★免税事業者(任意)
・「消費税課税事業者選択届出書」を提出
⇒ 適格請求書発行事業者として登録する場合には、事前に「消費税課税事業者選択届出書」を提出し、
課税事業者になる必要があります。
※現在免税事業者の方であっても、登録を受けると課税事業者として申告が必要となります。
適格請求書発行事業者になると、年間の売上高が1,000万円以下であったとしても消費税の申告義務が発生します。
インボイス制度の導入開始日が近づくに連れて、お客様から大変多くのご相談をいただいております。
少しでもご不安に思われておりましたら、いつでも弊所にご相談下さい。
お客様のお力となり、お悩みを軽減するお手伝いをさせていただきます。
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